感染症と日々向き合っている医療現場を参考にして、保育園においても参考になる重要な情報を選択しました。
聞き慣れない言葉や考え方になりますが、保育園の皆さんに十分使っていただけるように事例を用いて解説をしています。
1、医療現場からコロナ対策を学ぶ目的
子どもの健康や病気の予防対策において医療現場から学べることはたくさんあります。
医療現場での基本的な感染症対策を知り、保育園におけるコロナ対策にどのように応用できるかを考えていきましょう。
基礎を学んだ上で保育現場での感染症対策の考え方へと応用していきます。
最終的には、自園の予防対策の方針を定めてもらい、保育活動の具体的なシーンにおける予防対策方法を想定できるようになることがゴールです。
2、医療現場における感染症対策の基本
医療現場での感染症対策の基本はこの3つです。
感染対策
スタンダードプリコーション
ゾーニング
それぞれについて詳しく説明していきます。
1.感染対策
手洗い・消毒、マスク着用、清掃・換気といった皆さんも行っている基本的な行動になります。
当たり前ですが、医療現場でももちろん徹底して行われています。
基本を徹底して守ることができることが医療現場では重要になります。
2.スタンダードプリコーション
全ての人を感染源とみなすという考え方のことを指します。
人の血液、汗、唾液などの体液、分泌物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜などを全て感染源とみなして行動します。
これは、既に研究されている感染症に加えて、未知の感染症に対する予防を行うために前提となる考え方となります。
医療現場の方々は感染症にかかるリスクが大変高いため、感染拡大を防ぐためにこの考え方基準として行動をしています。
スタンダードプリコーションを保育現場へ応用してみましょう。
これはとてもシンプルです。全ての人が感染していると家庭して、感染症の予防や対策の行動をすることです。
全ての人、とはどこまで含まれるのでしょうか?
保育士や職員はもちろん、園児、保護者、来園者、地域の人など保育園に関わる人、全てです。
コロナに疲弊してコロナに慣れ切ってしまっている状態では、気が緩んでしまう人もいるかもしれません。
気持ちを新たに誰もが感染の可能性があるという前提のもと、感染症の予防と対策として、手洗いや消毒、マスクの着用、清掃や換気を徹底し続けるようにしてください。
3.ゾーニング
感染症患者の入院病棟において、病原体によって汚染されている区域(汚染区域)と汚染されていない区域(清潔区域)を区分けすることです。
安全に医療を提供するとともに、感染拡大を防止するための基本的な考え方となります。
誰もが一目でわかりやすいように、ゾーニングで色分けをして、危険なエリアか安全なエリアかを分類しています。
グリーンゾーン
環境にウイルスが存在しないエリア、
イエローゾーン
環境中にウイルスが低い確率で存在・ウイルス量は少ないエリア
レッドゾーン
もっともウイルスがいる可能性が高いエリア
となります。
実際の病院の例を見てみましょう。
ここでは、環境にウイルスが存在しないエリアであるグリーンエリアをナースステーションなどがある場所にしています。
そして、処置室や待合室を環境中にウイルスが低い確率で存在する、またはウイルス量は少ないエリアとして、イエローゾーンに分類しています。
患者がいる病室をもっともウイルスがいる可能性が高いエリアである、レッドゾーンに分類しています。
さらに病院では、人の流れを一方通行にすることで、ゾーニングとしてエリア分けを徹底しています。
もし、別のゾーンをどこからでも自由に行き来できるようにしてしまうと、ウイルスのいるエリアが特定できなくなってしまうためです。
この説明を聞くと、患者がいないから関係ないではないか、と思う人もいるかもしれません。
しかし、先ほど説明した全ての人が感染していると想定して感染症の予防や対策の行動をする、というスタンダードプリコーションの考え方を前提に置くと、保育現場でも応用できる考え方となります。
ゾーニングを保育園に応用するステップは別の記事『医療現場から学ぶコロナ対策2 保育室を感染の危険度で分類してみる』で詳しく解説していますので、合わせてご一読ください。
まとめ
保育現場での感染症対策の基本をまとめます。
スタンダードプリコーションとして、全ての人が感染していると想定して行動します。
ゾーニングでコロナのいる可能性の高さで保育室を分類し、保育室に応じて必要な行動を定めます。
この2つを行った上で基本的な感染症対策である、手洗い・消毒、マスク着用、清掃・換気を行います。
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保育園の形は1つではありません。
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