感染症対策の基本について学んだ次は、保育現場におけるコロナ対策を具体的に考えていきましょう。今回は保育現場における感染症対策の基本の復習と来園者に向けた感染症対策についてお伝えします。
1、具体的対策を考える前に行っておきたいこと
予防対策の考え方がわかっていれば、具体的対策に応用することができます。
まず、保育現場での感染症対策の基本を簡潔におさらいしていきます。
全ての人が感染していると想定して行動します。
コロナのいる可能性の高さで保育室を分類し、保育室に応じて必要な行動を定めます。
この2つを行った上で基本的な感染症対策である、手洗い・消毒、マスク着用、清掃・換気を行います。
<保育園での感染症対策の基本>
詳しくは過去の記事で紹介していますので、再確認してみてください。
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次に、保育活動を各出来事(シーン)に分けてから対策を考えていきます。
保育活動の内容、園児が活動する場所、園児の行動などに応じて対策を変えていくことで、特定の保育活動シーンに適応させた予防対策を行うことができます。
今回は以下のように分類しています。これから数回に分けて、それぞれのシーン別に具体的対策を挙げていきます。
観点① 来園
来園者への依頼事項
送迎バス
観点② 保育活動別に分類
クラスでの保育活動
おもちゃ・遊具
給食・おやつ
観点③ 保育の活動場所で分類
園内:保育室・職員室・給食所・トイレ
園外:公園
観点④ 行事
園内で行う場合
園外で行う場合
<シーン別分類の例>
2、来園者への対応を考える
ここから、『観点① 来園』について一緒に考えていきましょう。
職員以外の保育園関係者が来園するときに、コロナ感染のリスクを減らすためには
場所の制限をする
人の制限をする
が基本になります。
なるべく保育園の出入り口に近いところまでに来園者を制限し、来園できる人の条件を設定します。
例えば、発熱が認められる保護者の来園を禁止する、取引関係者の来園は1名までに固定するなどの対応が考えられます。
<大人への感染症対策>
保護者などの来園者に対する具体的対策を下記に挙げています。
1. 来園者全員感染している可能性があると考えて行動する
スタンダードプリコーションの考え方になります。感染症対策の基本ですね。
2. 取引関係者も含めて来園人数を制限する
来園者の数を減らすことで、ウイルスがいる可能性も減らすことができます。
3. 手指消毒、検温を徹底して行う
ルールとして必ず行ってもらうようにしましょう。従えない人は来園することを禁止するなどの措置をとります。
誰か1人でも許してしまうとやらなくても問題ないという意識が芽生えてしまいますので、厳しく判断しましょう。
4. ゾーニングにより来園者が行動できる範囲を決める
子どもが主に活動する保育室は、コロナのいる可能性をなるべく減らすため職員以外のの立ち入りを制限することも対策の一つとなります。
<来園者に向けた予防対策>
3、送迎バスにおける対策を考える
バスの送迎を行っている保育園もたくさんありますので、その場合の具体的対策を下記に挙げています。
1. 運転手となるべく接触しない工夫をする
例え毎日送迎してくれる運転手であっても、感染の可能性があると考えて接触感染や飛沫感染を防げるようにしましょう。
2. 後ろの扉から出入りしてもらう
運転手との接触を減らすためにバスに乗り降りする扉を運転手から遠いところにします。
3. 運転席にビニールシートを設置する
運転手からの飛沫を防ぐための工夫になります。
4. 座る席を固定化する
同じクラス、兄弟姉妹を近い席にするなど、なるべく接触する人を限定できるようにします。
5. 席の間隔を開ける
座席に余裕があれば、間隔を取ることで飛沫がかかりにくくなります。
<送迎バスの感染症対策>
まとめ
保育活動をシーン別に分けることで、それぞれに必要な感染症対策を設定することができます。
自園の状況に合わせた感染症対策を実行していきましょう。
保育園の形は1つではありません。
保育園の経営者、園長先生、保育士が、「自園が取るべき行動は何か?」と主体的に考え、行動することが何よりも大切です。その一歩のための支えになることができましたら、これほど嬉しいことはありません。
みなさまのお力になれることがあればご連絡ください。
「経営課題について解決支援をしてほしい」という具体的なご相談はもちろん、「とりあえず話を聞いてみたい」という場合でも、相談は無料ですので保育園のコロナ対策や経営についてご不明な点や疑問点などありましたらお気軽にご相談ください。
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